これまでの歯科治療は、「虫歯や歯周病などの病気を治す」「歯並びやかみ合わせなどの不正咬合を改善する」といった、“お口の健康を守る”という強いイメージがありました。しかし、現代では、お口の健康を守る機能的な側面だけではなく、「白くてキレイな歯に見せる」「美しく整った歯並びにする」といった美観的な側面をプラスした歯科治療「審美歯科」に注目が集まっています。
当院では、歯の色・歯のかたち・歯並びをより美しくみせてくれる「詰め物 (インレー)」と「被せ物 (クラウン)」を用いた審美歯科治療を行っています。
詰め物（インレー）
詰め物(インレー)とは、虫歯などの歯科治療では、細菌によって冒されてしまった部分を削ったあと、歯の見栄えやかみ合わせのバランスを整えるために、歯の削られた部分に詰められる補綴物のことです。
当院では、来院された患者さまのお口の健康状態、かみ合わせのバランスなどに合わせたインレーをご提案させていただいております。患者さまのなかには、「普段から人と話をする機会が多い」「自分の歯のような自然な仕上がりにしたい」「機能性と美観性を兼ね揃えた詰め物がほしい」とお考えの方もたくさんいます。
そこで、当院では、治療した歯の美観性を高めるため、セラミックインレーをはじめ、ジルコニア、パラジウム、ゴールドの4種類のインレーをご用意しており、患者さまのご希望に沿った審美歯科治療を行っております。
ジルコニアインレー
ジルコニアインレーの素材となっている「ジルコニア」は、「人工ダイアモンド」とも呼ばれている、非常に頑丈で軽く、美しいセラミック素材のことです。ジルコニアは、人工関節の素材にも用いられるほど、人間の身体に優しい生体親和性の優れた金属ですので、金属アレルギーをお持ちの方も安心してご使用いただくことができます。
また、ジルコニアインレーは、金属修復物のデメリットである金属イオンの溶出がほとんど起こらないため、歯茎との境目部分が黒く変色したり、お口の中の審美性が損なわれたりする心配がありません。さらに、ジルコニアインレーは、白く美しい素材を使用して作られているため、歯茎の健康を守りながら、高い審美性を得ることができます。
パラジウムインレー
パラジウムインレーとは、虫歯治療の定番詰め物「銀歯」の愛称で親しまれている詰め物のことです。
白く美しい光を放つ銀は、プラスチックやセラミックのインレーと比べ、破損してしまうことがほとんどない頑丈な金属であり、前から4番目以降の歯であれば、すべてに使用することができることから、国際的にもたいへん人気の高い詰め物となっています。
日本では、2種類の金属「金銀パラジウム合金」と「ニッケルクロム合金」を素材とするパラジウムインレーであれば、保険適応(3割負担)で入れることができるため、“もっともお財布に優しいインレー”としても知られています。
ゴールドインレー
ゴールドインレーとは、その名のとおり「金歯」のことです。
光り輝く美しい黄色に心奪われる金は、ほどよい重みのある柔らかな金属のため、虫歯治療で削られた歯にピッタリと密着し、虫歯の再発リスクを抑えることができます。また、金特有の柔らかさは、かみ合わせたときに触れる対合歯への負担も軽減してくれるため、噛む力の強い部分の歯にも使用することができます。
ゴールドインレーを選択される場合、1つ注意点があります。
歯科医院によっては、ゴールドインレーに保険適応となる「金銀パラジウム合金」が使用されていることがあります。そのため、ゴールドインレーを選択される際は、必ず歯医者さんや歯科衛生士さんに「保険適応外の金属は何ですか」「ゴールドインレーに使用されている素材は何ですか」と確認するようにしましょう。
ドクターより一言
当院では、虫歯治療を行った患者さまに「セラミックインレー」をおすすめしています。セラミックインレーとは、陶器や焼き物に使われる「セラミック」を素材とする詰め物のことです。まるで自分の歯のようなナチュラルな白さと透明感があり、まわりの歯の色調に同化させることができますので、とっても自然な仕上がりになります。
ほかにも、美観性に優れた美しい仕上がり、長期間使用しても歯や歯茎が変色しない、金属アレルギーの心配がない、プラークなどの汚れが付着しにくいなどのメリットがあります。けれど、セラミックインレーは、保険適応外の審美歯科治療であり、通常よりも歯を削る量が若干多い、自分の歯よりも硬いため割れてしまうことがあるなどのデメリットもあります。
どんなに優秀なインレーであっても、必ずメリット・デメリットはあります。
当院では、必ず治療を始める前に、患者さまに分かりやすく丁寧なご説明をさせていただき、どのインレーを使用するのかを患者さまと、よくご相談させていただいてから、治療を始めるように心がけております。
被せ物（クラウン）
被せ物(クラウン)とは、虫歯治療によって削られてしまった歯に被せる補綴物のことです。虫歯の治療を受けた患者さまのあいだでは、「差し歯」や「被せ物」という愛称で呼ばれていますが、正しくは「クラウン」と言います。
クラウンは、大きく分けて「一部被覆冠」と「全部被覆冠」の2つに分けられます。
比較的小さな虫歯を治療した場合、歯の一部分を覆う一部被覆冠が使用されますが、大きな虫歯や根幹治療を行った場合は、歯全体を覆ってしまう全部被覆冠による治療が行われます。
当院では、機能性と美観性に富んだオールセラミッククラウンをはじめ、ジルコニア、Eマックス、メタルボンドの3つのクラウンをご用意しております。
ジルコニアクラウン
ジルコニアクラウンとは、生体親和性に優れた素材「ジルコニア」で内冠(キャップ)を作り、その上から陶器や焼き物に使用される高品質なセラミック素材を焼き付けた被せ物のことです。
ジルコニアクラウンは、金属を一切使用せずに作られているため、金属アレルギーの心配がなく、金属溶出による歯茎の変色もありません。また、ジルコニアは「人工ダイアモンド」「キュービックジルコニア」とも呼ばれるほど、強度が高く、噛む力の強い奥歯の被せ物にも使うことができます。
機能性の高いジルコニアクラウンは、審美性にも優れています。
ジルコニアには、クラウンの土台となる金属のコアが透けてしまうのを防ぐ「マスキング効果」に優れているので、オールセラミッククラウンよりも、より自分の歯に近い自然な色合いを再現することができます。
Eマックスクラウン
Eマックスクラウンとは、歯を覆う冠全体が「ガラスセラミック」と呼ばれる素材で作られた被せ物のことです。
これまでのクラウンは、審美性よりも機能性を重視したタイプが多かったのですが、Eマックスクラウンは、審美性と機能性を兼ね揃えた世界最先端のセラミック素材で作られていますので、普段から人と話す機会が多い方、自分の歯よりも詰め物が目立ってしまい困っていた方にもおすすめです。
ジルコニアクラウンと比べると、やや耐久性や色の再現性は劣りますが、金属を使用していないので、歯茎への着色もなく、時間経過による変色もしにくく、ほどよい透明感もありますので、自然な色合いの美しい口元に見せることができます。
メタルボンドクラウン
メタルボンドクラウンとは、金属素材の内冠(キャップ)にセラミックを焼き付けた被せ物のことであり、正式名は「陶材焼付鋳造冠」と言います。
少し前までは、虫歯治療のあとに被せるクラウンといえば、メタルボンドクラウンが主流だったのですが、現在では、ジルコニアやEマックスなど機能性と審美性を兼ね揃えた被せ物を使用するのが一般的となっており、メタルボンドクラウンを選択される患者さまは、あまり多くはありません。
けれど、自分の歯の色によく似ていて見栄えが良い、内冠が金属なので強度が高い、ほとんどの歯に被せることができるなどのメリットがありますので、いまでも一部の患者さまのあいだで根強い人気を誇っています。
内冠に金属が使用されているため、金属アレルギーなどが起こるのではないかとご心配されている方も多いと思いますが、内冠の金属には貴金属が使用されているため、金属の溶出による歯茎の変色や金属アレルギーなどを引き起こす可能性を低くするなどの対策がとられています。
ドクターより一言
当院では、大きな虫歯や歯根治療を行った患者さまには「オールセラミッククラウン」をおすすめしています。オールセラミッククラウンとは、冠全体がセラミック素材で作られた被せ物・差し歯のことです。
陶器や焼き物の素材として使用されている高品質なセラミックを使用することで、プラークなどの汚れが付着しにくく、透明感のある美しい白い歯に見せることができます。また、金属を一切使用せずに作られていますので、金属アレルギーの心配もありませんし、金属溶出による歯や歯茎の変色なども起こりません。
オールセラミッククラウンは保険適応外の審美歯科治療であり、他のクラウンと比べて割れやすかったり自分の歯よりも硬く、かみ合わせの際に健康な歯を痛めてしまったりするなどのデメリットもあります。
どんなに機能性と審美性を兼ね揃えたクラウンであっても、必ずメリット・デメリットはあります。
当院では治療を始める前に、必ず患者さまにクラウンのメリット・デメリットを分かりやすく丁寧なご説明をさせていただき、患者さまとよく話し合ったうえで治療を始めるように心がけております。
審美歯科治療に関するお悩みやご相談は当院まで
審美歯科に興味はあるけれど、なかなか勇気が出ないとお悩みの方もたくさんいると思います。当院では、美観性を高めてくれるインレーやクラウンのほかにも、虫歯や歯周病予防をしながら歯を美しく見せるホワイトニングやPMTCなどの歯科治療も行っております。どのような審美歯科治療を始めたら良いのかお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。
