小児歯科とは、子どもを対象とする医学の一分野「小児科」と同じく、子ども専門、またはメインに診察や治療、予防などを行っている歯科医院のことです。街でよく見かける歯科医院の多くは、大人をターゲットとしているため、診察や治療は大人向けとなっています。そのため、大人は我慢することができるかもしれませんが、子どもにとっては我慢することができない場合もあります。
当院では、患者さまの年齢に合わせた診断・治療などを行っておりますので、歯医者が嫌い、苦手なお子さまにピッタリな虫歯治療や予防をご提案しています。
子どもの虫歯治療
よく「乳歯が虫歯になっても、いずれ永久歯と抜け替わってしまうのだから治療しなくても大丈夫」とお考えの親御さんもたくさんいます。しかし子どもの虫歯は、大人と比べて、痛みを感じにくいうえに、進行が早いため、治療をせずに放っておいてしまうと、
- 歯の根っこに膿が溜まり永久歯が虫歯になりやすくなる
- 永久歯が真っ直ぐ出てこられず、歯並びが悪くなる
- 虫歯の痛みを避けるため、噛む回数が減り、噛む力や顎の発達に支障がでる
- 食欲が無くなり、偏食になりやすい
- 永久歯も虫歯になりやすくなる
など、将来さまざまなリスクをお子さまに背負わせてしまうことになります。
子どもの虫歯治療の選択肢
子どもの虫歯治療は、CRや神経の治療など、基本的には大人の虫歯治療と同じ方法で行います。
しかし、乳歯が虫歯になった場合、虫歯の進行具合などによって進行止めのお薬を塗ったり、抜歯を検討したりすることもあります。
ただし、3歳以下のお子さまの場合、虫歯になっても治療が困難なことが多く、その場合は定期的に歯科検診を受けながら、虫歯の進行具合を見ていくかたちとなります。
当院の方針
当院では、お子さまの虫歯治療を行う際、「小さなゴールを一緒にクリアしていく」ということを大切にしております。治療を受けるお子さまにも、分かりやすい言葉で治療の必要性をご説明させていただき、達成すべき目標を細かく分けるイメージで虫歯治療を行います。
ただ指示を出すのではなく、治療を受けられるお子さまに「今日は、ここまで頑張ろうね」と協力を仰ぐことで、虫歯治療に対するモチベーションを高めてもらうことで、自分から積極的に虫歯治療を始めていくためのサポートも行っています。
虫歯治療を受ける子どもたちのなかには、歯科治療が苦手な子もたくさんいますが、それは治療を受けるお子さまが「これから歯科医院で何をされるのか」を、よく分かっていないからです。そのため、恐怖心や不安感を持ったまま虫歯治療を行った子どもたちは、歯医者さんに対するイメージが悪くなり、結果的に「歯医者さん嫌い」になってしまうのです。
子どもたちにとって、乳歯から永久歯に生え変わる過程では、長い人生で自分の歯とどう向き合っていくかを考えてもらう研修期間となります。そんな大切な時期に歯科治療に苦手意識を持ってしまったら、大人になっても抵抗感は拭うことはできません。
当院では、「子どもたちが嫌がることはしない」をモットーとしています。
そのため、親御さんとしては、とても歯がゆいかもしれませんが、治療を受けられるお子さまがしっかりと虫歯の治療や予防に納得したうえで、自分から口を開けてくれるようになってから治療を始めことにしています。
幼少期に虫歯が多かった自分の経験を踏まえ（笑）、お子さまへの治療にも細心の注意を心がけています。何をされているかわからない不安感や恐怖心のなか、虫歯の治療をされてしまうと、大人になっても歯科治療への苦手意識を持ち続けてしまうことになります。当医院では、幅広い世代の方々が、少しでも快適に受診していただけるよう、つねに院内環境を整えております。
子どもの虫歯予防
当院では、子どもの虫歯を防ぐため、3つの予防処置「フッ素塗布」「シーラント」「PMTC」を行っております。
ただ、どの虫歯予防処置も虫歯予防に十分な効果を発揮するのですが、それぞれの予防処置ごとに効果期間やメリットなどが異なりますので、お子さま、親御さんのご希望と歯科検診の結果を踏まえて、どの虫歯予防処置がお子さまにとって最適かを担当歯科医よりご提案させていただきます。
フッ素塗布
フッ素塗布は、子どもの虫歯予防のなかで、もっとも一般的な処置となります。
ミネラルの1種であるフッ素には、歯質を強化する働きがあり、虫歯になりにくくしてくれます。とくに、子どもの乳歯や生え替わったばかりの永久歯は、歯質が弱く、虫歯になりやすいので、フッ素塗布を行うことで、大人の歯と同じくらい、頑丈な歯にすることができます。
フッ素は、普段の食事や歯磨き粉などにも含まれていますので、子どもがフッ素の過剰摂取になってしまうのではないかと不安に感じている親御さんもたくさんいると思います。歯科医院では、フッ素の過剰摂取にならないように、適切な分量のフッ素を使用しているため、フッ素の摂りすぎによる害が起こるようなことはありません。
フッ素塗布の虫歯予防効果は、フッ素の濃度にもよりますが、歯科医院で使用されている高濃度フッ素であれば、1年に3回ほど、家庭用の低濃度フッ素であれば1日2回以上塗布することが理想とされています。
シーラント
シーラントとは生え替わったばかりの新しい奥歯の溝をフッ素が含まれたプラスチック素材で埋め込むことで、奥歯に汚れが溜まるのを防ぐ虫歯予防処置のことです。
生え替わったばかりの子どもの奥歯は、大人の奥歯と比べると、溝がとても深く、細やかで複雑なかたちをしています。そのため、毎日の歯磨きではどうしても汚れをキレイに落としきることができないため、ほかの歯と比べると、どうしても虫歯になりやすくなります。
子どもの虫歯予防に使用されるシーラントは、虫歯治療の詰め物として用いられる「レジン」と同じ素材であり、フッ素成分が配合されているため、乳歯から永久歯に生え替わるタイミングでシーラントをすることで、より効果的な虫歯予防を行うことができます。
ただし、シーラントの効果は永久的ではないため、数ヶ月ごとに歯科検診をお勧めします。
PMTC
PMTCとは、専用の機械や器具を使って、普段の歯磨きでは落としきることのできない汚れやと歯ブラシでは届かないところに付着した汚れを、歯科医または歯科衛生士によって、徹底的にクリーニングし、虫歯や歯周病から歯を守るための予防処置のことです。
健康な歯に付着するネバネバ物質「プラーク(細菌の塊)」は時間の経過により歯ブラシでは落とすことが難しい頑固な汚れ「バイオフィルム」へ変化します。バイオフィルムとは、虫歯の原因となるミュータンス菌によって作られる不溶性グルカンの固い皮膜のことであり、歯ブラシでこすっても取り除くことができません。
しかし、PMTCを行うことで、歯ブラシでは落とすことができなかった硬いバイオフィルムが破壊され、歯の表面の細菌バランスが正しいバランスに整えられ、虫歯になるのを防ぐことができます。
PMTCによる虫歯予防効果期間は個人差がありますが、平均3ヶ月ほど持続しますので、3ヶ月に1度のペースでPMTCを行うと、より効果的な虫歯予防を行うことができます。
ドクターからのコメント
お口の中には、健康な歯を虫歯にしてしまう「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌が住んでいます。
ミュータンス菌は、歯の表面にくっつきやすい性質を持っており、歯磨きが不十分だったり、甘いものを食べたりすると、歯の表面に定着して、ネバネバとした溶けにくい物質「プラーク(歯垢)」を作り、歯周病原菌をはじめとする、さまざまな細菌と一緒に住み始めてしまいます。
プラークの中では、お口の中に入ってくる食事やジュースなどに含まれる糖分をエサに細菌たちが酸を作りだし、歯を溶かして虫歯にさせようとしています。
虫歯の原因となるプラークを防ぐためには、毎日の歯磨きや正しい食事なども大切になります。
当院では、お子さまの虫歯を防ぐため、フッ素塗布やシーラントなどの虫歯予防処置と合わせて、歯磨きの指導などもしておりますので、お気軽にご相談ください。
痛みの出にくい麻酔
虫歯治療の前には、必ず行う麻酔の注射は、いくつになっても痛いものです。
とくに、いまから何をするのか不安や恐怖の気持ちを抱いて虫歯の治療を使用としている子どもにとって、麻酔の注射をするときの痛みは、大人と比べ物にならないほど、強く感じられてしまいます。
幼いころから、歯医者さんを好きになってもらうためには、麻酔の注射をする前に、歯の表面に麻酔ゼリーを塗布して、温めておいた麻酔液を電動の無圧麻酔器を使って、ゆっくりと注入する痛みの出にくい麻酔を行っています。
当院では、お子さんと同じように、大人の歯科治療を行う際も、治療前には痛みの出にくい麻酔を徹底させていただいております。
詳しくはこちら⇒痛みの出にくい麻酔へ
＊虫歯の治療を頑張った子には、“ご褒美のおまけ”をプレゼントしております。
ドクターより一言
当院では、お子さまの虫歯治療を行う際、事前に治療を受けるお子さまと親御さんに、麻酔の使用についてご相談をさせていただいております。
虫歯の治療を行うのであれば、麻酔をするのは当然だとお考えの親御さんもたくさんいると思いますが、お子さまのなかには、治療後に、お口の中を噛んでしまったり、麻酔のしびれた感じを嫌がったりする子もたくさんいます。このような麻酔に関するトラブルやお悩みを抱えている場合は、麻酔を使用しない場合もあります。
お子さまが、歯科医院に対する苦手意識を持たないよう、当院では麻酔を使用する際に、分かりやすくご説明させて頂いておりますので、麻酔に関するご不明な点などございましたら、遠慮なくご相談ください。
家族で通える歯科医院を目指しています
当院では、子どもから大人まで安心して足を運ぶことができる歯科医院になるよう、「痛い」「怖い」といったネガティブなイメージを払拭する取り組みを行っています。
歯医者嫌いな子どもの虫歯を治したい、歯医者が苦手な子どもが安心して通院できる歯科医院を探している親御さんは、ぜひ当院まで足をお運びください。
